2012年6月14日木曜日

Medoc des Medoc

今日も飛ばしまっせ。今日はmedoc一円の著名CHの視察テイスティング、ある意味全工程の中で非常に重要な一日。何故か私が通訳だ。おい、何でよ。フランス語できる人間も、英語できる人間も一杯いるじゃんか。てか、そんなことより呑めないじゃん。

はい、先ずベイシュヴェル。提督に敬意を示して「帆を下げよ」がなまってベイシュヴェル~なんて誰でも知っている薀蓄混ぜつつ、随分アバウトな通訳こなし。アテンドの女性に張り付きなので殆ど写真なんか撮る余裕などない。09のベイシュヴェル。これは、2口呑み込んだだけだけど。凄いね。やはり09の偉大さもさることながら、私の持っている30年越しで漸く素晴らしい開花を見せるベイシュヴェルとはとても思えない、まさしく今呑んで美味しいのにエレガントでフェミニンな印象。一昔前のマスキュリンの象徴とも言えたベイシヴェルとは思えない。それが何故とかの専門的なところは全部省略。凄い量のレポートになってしまう。


ボルドー1美しいと言われる、ベイシュヴェルの迎賓用城の前。右端の方にレオン君というクジャクが。


はい、次。コス。インヴィテーションランチ。


その前に小一時間、CH設備の視察。最新鋭の設備、初めて見る(と言うよりコス以外に導入しているCHがない)設備の通訳に目茶手間取る。コスの概観。美しいね。



醸造ラボの最深部。ずらっと1800年代からのワインが(見世物用につき、他の場所に蔵所有のバックVTはストックされている)。


11年産の樽たち。扉開かれて中に入った時には、まさしく鳥肌がたった。007の世界観。


一通り視察終えて、ランチの間に戻る。ボランジェマグナムが数本でウェルカムシャンパン。私の最も好きなグランメゾンのシャンパーニュが…これもグラス1杯で我慢。コスのスタッフたちと立ち話、飲めない私は大いに同情を誘う。


ランチスタート。のっけから、コス・ブラン。ボルドーの正規流通ブランの中ではおそらく最も高価で希少な部類のボルドー白。これはとんでもないワインだ。ワインのキャラクターなど通訳しつつ、暫くするとプラッツ氏が到着合流(午前中ボルドーの事務所で仕事があったとのこと、世界的ワイン会のカリスマは忙しいのだ)。コス・ブランの次はコス03。テイスティングでないので、呑めば呑むだけ注いでもらえる、そんな状況下でパゴなどの2ndを出さないこの心意気ってどうよ。すごい歓待ぶりだ。自由に呑めない自分自身に歯噛みしながら。プラッツ氏の選ぶ言葉を一つ残らず拾いつつ、03の説明、続いてサーヴしていただいた、95の説明も。さっきまでの通訳の緊張度合とは格段の差が。プラッツ氏のコスの説明を通訳したなんて、かなりの自慢のタネだよな、と思うのがせめてもの慰め。



最後はドルチェと、コスの作るトカイ01。これが、また素晴らしい。皆同席はプロだが、私などは末席、凄いな…しかコメントが出てきません。



通訳やっていたので、一本ずつ撮ることを、サーヴしてくれるスタッフにお願いしている暇などないので、帰り際プラッツ氏と二人で写真撮った後に慌てて今日のランチボトルの集合写真とった次第。

はい、次。この塔と言えば…そう、5大CHの一ラトゥールのシンボルの塔。当然、一般の方はアポすら取れません。守衛さんがいて、入ることも出来ません。


幸いここのアテンドしてくれた中国人スタッフの英語は非常に綺麗で分かりやすかったので、窮することなく通訳することができた。あれ???ビオの雰囲気が?企業秘密なので、新しい栽培方法についてはここでは言及できません。


1年目の(11年産)カーブ。


テイスティングルームでラトゥールの畑を見ながら、3rd 2nd 1st、順に09、06、04。テイスティングの勉強という観点ではこれ以上にない、よく考えられた組み立ての3本。コメント長くなるので、一言で。てか、これ全部飲み干せへんて、拷問やろ!!!!!!!! !マーク10個でも足りるかい!!てな具合。一言ではおさまらなかったね。


畝の端のガーディアン(薔薇>葡萄より病害に弱く、葡萄に迫る病気や害虫を事前に察知、防止に貢献)。


飲み干せなかった。美しきラトゥールの液体たち。


おい、ここも改修中かい。聞けば現在のCHの横に更にCHとオフィスを増設するんだとか。グランCHはお金が有り余ってんのね。そりゃ80haからの畑から「ダイヤ」にも等しいワインを紡ぐんだから、生産者としての純利は数百億。設備投資や改修以外にもはや金の使い道が無いのかも。


はい、次。だんだん呑めないフラストレーションと禁断症状で、駆け込みの写真撮影すらない(嘘)
5大CHの一つムートン。は只今改修中(おい此処もかよ)なので、お隣のクレール・ミロンでムートンも併せてテイスティング視察。ラトゥールの後ではやや、見劣りするが木材と石材の融合したモダンで美しいスタイルのワイナリー。アメリカのワイナリーを髣髴とさせる造りだ。と思っていたら、そうかOPUSワンのワイナリーのスタイルね。使っているマイコン選果システムもOPUSで実績あるもの。

時間がないので、テイスティングに移行。2011年のクレールミロン、ムートン、ダルマイヤックを。
クレールミロンは撮り忘れたが10年から(ちょうど今ボトリング中)、お馴染みのダンシング・レーベルから刷新。改修の終わった新しいクレールミロンのCHの概観がエチケットにドンと。おい、これクレール・ミロンかよ。
カマンサックみたいになってますやん。未練がましくアテンドのダイレクターに、仮?また元のエチケットに戻らないの?なんて思わず聞いてしまった。もちろん、応えは否。皆さん、10年産があと数ヶ月後に日本に入ってきたときに驚いてください。エチケットつながりの話題で、下もなかなかレアな11年産仮のムートンラベル。昨日ボトリング。正直私レベルでは製品になる1年以上前のこの子達を呑んで、掘り下げたレベルでコメントは難しい。


で、まさかこんなもん出てくるとは誰も思ってない。それがこれだ。あの05のムートン。
まさしく、跪いて傅いて飲むべし。まだまだ堅いが、第一ピークの入り口を感じさせる熟成による甘さが半端でない。間違いなく、今日呑んだワインの中ではダントツの一番美味いワインである。
もう何というか腰が砕ける感覚に襲われるそんな、素晴らしいワイン。ブラボー。


ムートンまでで、私の通訳任務は終了。05のムートンは言わずもがな、11年のムートンファミリー3種も全部飲み干した。まだまだ、こら!酒持ってこい。

はい次、5級のベルグラーヴ。
インヴィテーションディナー。


ディナーの前に軽くCHを視察。


5級。十分立派なのは分かっているのだが、今までが余りに凄すぎて、感動がひたすら薄い。


視察も終わり本日ラストのイベント、ディナー開始。ベルグラーヴ。07だが、酸に埋没することも無く、果実味と特筆すべきスムースなタンニンで呑みやすく美味しい。


その後、先方からのサプライズワインということでル・ドーム06とソライアを。ワイン愛好家にはしばき倒されるだろうが、(市価凄い値段のワインなのは分かってます)一日朝から晩まで、ボルドーのしかも格付け級の赤を呑み続けると、はっきり言ってどんな凄いワインが出てきても、もうお腹一杯現象なのである。当然私は通訳でバッファが無いことは無いけれど、もう香りを取ったり、コメントしたりする元気は残っておらず。美味しいね、でも濃すぎて疲れたね、という言葉しか出てこないのであった。ル・ドームなど前呑んだときはCFらしいエレガンスを感じたものだが、これは… 昨日のシュヴァル・ブランのせいかな?ソライアに至っては、ああ、ソライアね。久しぶりに呑むな。位のコメントしか出てこなかった。こんな甘い美味しいワインなんだけどね。



今日の教訓。ワイナリー訪問するときは、英語か仏語を理解できるメンバーだけでパーティーを組み間違っても通訳などやることの無いようにすること。気持ちは分かるが、訪問するワイナリーの数は物理的に訪問可能な数を3で除すること。そうすれば、ハッピーなボルドー観光になること間違いなし。ちなみに今日の訪問コースは一般観光客が仮に一人100万円以上出費しても、実現できないということはご留意願う。

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